2023年12月期第3四半期決算ポイントをまとめています。
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■決算概要
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第3四半期(7月~9月)の決算サマリです。
売上625億円、営業利益94億円、経常利益97億円、最終利益は32億円と、前年同期と比べて増収増益の決算となりました。最終利益は、前年の関連会社株式に対する特別損失の計上があり、大幅増となりました。
1-9月の累計数字
前年同期と比べると、増収減益の決算となりました。前年のインキュベーション事業における利益貢献による影響が、大きな要因となっています。
株主還元
株主還元の基本方針は、総還元性向50%となります。このうち配当に33%以上、残りの17%を自己株式の取得、消却にあてるというものです。
1株あたりの配当金の推移
今期も業績予想、配当予想を非開示としています。このため、配当金についても四半期ごとの発表となります。前年同期は四半期純損失となったことから無配となりましたが、第3四半期の配当金は、10.2円となります。
自己株式の取得・消却の進捗
予定している総額15億円の取得に対し、今期分の取得は完了しています。
強みの1つ目は、「自社開発・自社運用」へのこだわりです。インターネットという変化の速い市場で生き残るため、またNo.1サービスを提供するためには、自ら創って自ら運用する、モノづくりの会社でなければならないと考えています。重要になるのは、エンジニア、クリエイター、ディレクターといったモノづくりに関わる人です。
2023年9月末のパートナー数は7,400名を超えていますが、このうち創る人の比率が49.8%となっています。この創る人比率に初めて目標を設定したのは、2011年のことです。当時の目標値は50%でした。そして、この値を投資家の皆さまにお示ししたのは、2014年2月。当時の値は37.1%でした。目標値である50%の達成が見えてきたということもあり、60%に引き上げたのが今年の2月となります。
インターネットの時代は感性の時代です。素晴らしいクリエイターを増やし、「UI/UX・クリエイティブのGMO」と言われるべく、モノづくりの会社として成長を続けてまいります。
前期で14期連続増収増益を達成することができたのは、創業以来、岩盤ストック収益を積み上げてきたからだと考えています。これは、インターネットが続く限り「無くならない、無くてはならない」かつ「継続課金の商材」からもたらされるストック収益だということです。
連結売上高の推移
創業以来、持続的成長を実現してまいりました。
連結売上高の分析
売上高を岩盤ストック収益とそれ以外に分解したものです。赤線は連結売上高に占める岩盤ストック収益の比率です。岩盤ストック収益には、インフラ事業における継続課金型収益と継続課金に近いトランザクション型収益を含めています。ご覧の通り、岩盤ストック収益こそが我々の持続的成長を支えています。
岩盤ストック収益の分析
岩盤ストック収益を単価と件数に割り戻したものです。単価、件数ともに拡大を続けています。足元の1,301億円という岩盤ストック収益は、「年間の単価 約1万円」×「約1,300万件の契約件数」から生み出されます。そして、契約件数は足元でも毎日約1万件の新規の申し込みをいただいています。インターネット上の情報量、トランザクション量が拡大するにつれて、今後も拡大していくものと考えています。
ネットインフラの契約件数
インフラ契約件数の状況です。岩盤ストック収益を支える「岩盤収益基盤」と言い換えることができます。9月末では1,492万件となっています。商材ミックスの変化もあるため増加ペースは一様ではありませんが、過去の年度末の推移を見ると、おおよそ年間81万件ペースで増加している計算です。単価については上昇傾向であることを考えると1万円強となり、掛け合わせるとおおよそ年間100億円近い売上が積み上がっていく計算となります。今後もご期待ください。
グループ概況
当社の事業領域を俯瞰した図となります。領域の大きさは売上構成比を示しています。岩盤収益基盤としてのインフラ契約件数1,492万件に加え、FX・証券、暗号資産の口座数を合わせた顧客基盤は1,750万件となっています。
時価総額・持ち分相当額
グループ上場10社の時価総額と当社の持分相当額となります。グループ時価総額の合計は1兆715億円、当社の持分相当額は3,000億円を超えてきています。
セグメント別売上高
前年同期から売上高計上ルールの変更がありましたが、1番下、濃いブルーのインフラを中心とした成長トレンドが継続しています。
セグメント別営業利益
インフラの岩盤ストック収益をベースに、高収益な金融事業による持続的成長という見方はまったく変わっていません。
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インターネットインフラ事業
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インフラ事業の事業内容は、ドメイン、クラウド・ホスティング、ECプラットフォーム、SSLサーバー証明書、電子印鑑、サイバーセキュリティ、決済、アクセスと、いずれもインターネット社会にとって「無くならない、無くてはならない」、No.1サービスの集合体です。
セグメント別売上高
各事業がバランスよく伸長しており、この四半期も11%増と強い数字が出ています。直前四半期からややマイナスとなっています。主な要因は水色の決済事業において、GMOフィナンシャルゲートで展開する対面決済分野の大口案件の貢献があったことによるもので、トレンドの変化があるものではありません。
営業利益
各事業がバランスよく成長しています。
暗号セキュリティ
戦略事業として、グループをあげて展開している暗号セキュリティ「GMOサイン」の事業進捗についてです。契約社数だけでなく、送信件数でもNo.1となっているのはご案内している通りです。
電子印鑑 契約社数
2020年5月にコロナ禍においてグループをあげて取り組んだ「さよなら印鑑キャンペーン」以降も、いわゆるネットワーク効果、グループシナジーによる顧客基盤の拡大が続いており、9月末では166万件となっています。
メガバンク2行への新規導入など、大手企業への導入も順調に進んでおり、まだまだ市場拡大フェーズと考えています。
電子印鑑 送信件数
送信件数は、お客さまの「アクティビティの高さ」を示す最重要KPIと捉えています。不動産業など、アクティビティの高いお客さまの利活用が順調に拡大し、売上成長に繋がっています。
デジタルガバメント
GMOサインについては、デジタルガバメントへの取り組みも強化しています。「自治体導入でもNo.1」に向け、すでに65の公共団体への導入が決定しています。契約社数、送信件数と合わせて三冠達成を目指し、さらなる成長へつなげていきます。
EC支援事業 流通額
カラーミーショップ、makeshopで展開するECプラットフォームとminne・SUZURI・FREENANCEといったサービスから構成されています。物販ECは業界全般的に低調な推移となっていますが、当社グループの高価格帯のmakeshopは堅調に推移したものの、全体としては弱含みで推移しました。
EC市場に対する見方ですが、流通額のサイズはコロナ前に比べて一段大きくなっており、中期的に今後も成長が期待できる領域と考えています。この流通額のうち、約40%はGMOペイメントゲートウェイの決済をご利用いただいており、ECプラットフォームと決済の強いシナジーを示す値と考えています。
なお、FREENANCEについてはビジネス戦略の再構築をはかっていきます。
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インターネット広告・メディア事業
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四半期売上の推移とその内訳です。濃いブルーのメディアは自社メディアのPV数の増加を受け、アフィリエイト広告を中心に好調な推移をしたものの、薄いブルーのネット広告では、コロナの行動制限緩和により広告需要の増す業種が存在する一方、巣ごもり需要により活況だった業種の予算が減少するなど、広告主の事業性質による激しい変動が大きく影響しています。また、アドネットワーク広告の単価下落を受け、軟調な推移となりました。
営業利益
売上と同様、自社メディアは堅調に推移しましたが、広告代理での粗利減少、コスト抑制により利益を補うことができませんでした。昨年のV字回復基調から一転して今期は減益の見通しですが、GMOアドパートナーズでは組織変更を予定するなど、来期への再成長に向けた施策を進めていきます。
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インターネット金融事業
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四半期業績の推移はご覧の通りです。昨年末から強化している収益改善施策の効果が継続し、対前年では増収増益となりました。一方、為替の円安加速によるボラティリティ低下が起因となり、対前四半期で売上、利益ともに伸び悩みました。また、利益については前年の第4四半期以降、タイ証券事業での貸倒引当金の繰入が発生しており、当四半期においては約5億円の戻し入れがありました。
商品別売上高
濃いブルーのFXでは足元の円安進行によるボラティリティ低下により、売上高減少となりました。また、薄いブルーのCFDは、コモディティ関連指数の取引高は伸び悩みましたが、主力の商材として堅調に推移しています。今後も我々の強みであるデリバティブ取引のノウハウを各社に提供しながら、積極的にクロスセルを行っていきます。
FX事業 売上高と取引高の関係
この四半期は一方的円安進行により取引高は増加したものの、ボラティリティ低下に比例して収益性も低下し、対前四半期比較では減収となりました。しかし、昨年の第4四半期以降取り組んでいる収益性の改善施策により、対前年比較では収益性に回復傾向が見られます。
今後は収益率を上げて、その得られた利益をお客さまに還元することでより良いサービスにして、多くのお客さまにお取引いただくという戦略により、中期的に取引シェアを戻していきます。
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暗号資産事業
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暗号資産事業は、マイニング・交換・決済、3つの事業を展開しています。
セグメント別売上高
四半期売上の推移とその内訳です。交換事業は、低調なマーケット環境なりの売上高となりました。世界的に逆風が続く一方、GMOコインは銘柄追加や顧客獲得に努め、口座数が堅調に伸びています。
営業利益
対前年では赤字幅縮小となりましたが、損失計上が続いています。暗号資産取引高の減少が継続しており、利益を出しにくい状況が続いています。
マーケティング投資については引き続き抑制した形での運用を継続しています。マーケット環境はビットコイン価格上昇などの反転の兆しがある一方、内部的な施策を淡々と継続し、再度マーケットが活況になった際に利益を出せる体制を構築しています。
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TOPICS
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セキュリティ事業「すべての人に安心・安全なインターネットを」
サイバー攻撃が喫緊の社会課題、経営リスクになってきていると、これまでお話ししてきました。メディアでも、サイバー攻撃への対策強化に向けた国内外の政府・機関の動きを報じるものが増えてきています。
当社グループでは、DX・オンライン化の進展で今後ますます加速するセキュリティのニーズに応えるべく、
こちらをスローガンとして掲げ、安全な国家・社会の実現に貢献していきます。
セキュリティ事業の3つの領域
セキュリティ事業は、3つの柱で構成されています。
①認証技術を活用したSSLなどの「暗号セキュリティ」
②日本最強のホワイトハッカー集団による「サイバーセキュリティ」
③ドメイン・商標のプロによる「ブランドセキュリティ」
日本最強のホワイトハッカー集団「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」
今回は、2022年1月にグループジョインした日本最強のホワイトハッカー集団「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」のアップデートについてお話しします。
サイバーセキュリティ 導入事例
GMOサイバーセキュリティ byイエラエの最大の強みは技術力です。「攻撃者の視点」を有するホワイトハッカーが行う脆弱性診断を、国内外の幅広い業界・業種の企業にご利用いただいています。また、グループシナジーにより、銀行との取引も順調に拡大しています。
サイバーセキュリティ 実績
国内外のコンテストでNo.1となっているほか、政府、警察庁、防衛省が対策を本格化する中で、サイバー部隊の教育・研修をお手伝いしています。このように、技術支援に対し感謝状も頂戴しています。
今後も、サイバーセキュリティ分野での技術的な支援を通じて、日本や世界の安心安全なインターネット社会の実現に貢献します。
SaaS型プロダクト「GMOサイバー攻撃ネットde診断」は、ドメインを入力すると自動でそのWebサイトに穴がないかどうかをチェックし、判定結果をスコアリングしてお知らせするものです。誰でも簡単に、高いセキュリティ水準でサイトの安全性を診断できます。
5月には経済産業省が「ASM導入ガイダンス」を発表しました。ASMは、Attack Surface Management(アタック サーフェス マネジメント)の略で、サイバー攻撃から自社のIT資産を守るための手法として注目されています。「GMOサイバー攻撃ネットde診断」は、このASMにカテゴライズされるツールとなります。
足元では、インフラ1,400万顧客とのAPI連携に向けた取り組みを開始しました。「GMOサイバー攻撃ネットde診断」を、次の「無くならない、無くてはならない」サービスとすべく取り組んでいきます。
トピックス – AI活用No,1企業グループへの取り組み
GMOインターネットグループでは、3つテーマに基づいてAIへの対応を進めています。
③については、インターネットのインフラを提供する企業グループとしてAI産業の発展に関わる新サービスを提供する、ということです。
既存サービスの質向上
機能強化に向け、「文章生成AI」「画像生成AI」の組み込みが、インフラ、広告メディアの各サービスで始まっています。
AI産業への新サービス提供
GMOインターネットグループでは、自らもAIを活用した新規サービスを開発してまいりますが、AI産業を支えるインフラとなるサービスについても順次リリースしています。ゴールドラッシュにおけるジーンズ、スコップ、ツルハシにあたるものです。
今回はそのうちの2つをご紹介します。
1つ目は、生成AIプロンプトポータル「教えて.AI」です。
プロンプトは現代で重要なAIとの対話技術であり、「教えて.AI」では無料で手軽に、高品質なプロンプトを利用することが可能です。AIに関心がある人たちの注目・知識が集まる場を作り、AI産業に新たな価値を提供します。
もう1つは、GPUサーバー「ConoHa VPS」です。国外ホスティング事業で長年培ってきた大規模インフラ技術、運用ノウハウを基盤に調達力と販売力を活かし、NVDIA社の最新GPUを搭載したクラウドサービスです。生成AIムーブメントが加速し、基盤となる大規模言語モデルの開発に多くの企業が取り組む中、高い計算能力を持つGPUへの引き合いが強くなっています。「ConoHa VPS」の提供を通じて、国内AI市場の更なる発展に寄与してまいります。
また、グループ全体におけるAI活用の取り組みとして、AI分野の権威である東京大学・松尾 豊教授に顧問としてご就任いただきました。松尾教授の知見をさらなる推進力として、グループ全体でAIへの取り組みをより強化していきます。
サステナビリティ経営への取り組み
GMOインターネットグループは、「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチとして掲げ、創業以来一貫してインターネットのインフラ、サービス・インフラという「無くならない、無くてはならない」サービスを提供しています。
この度、GMOインターネットグループのESGにおける重要課題を抽出した上で、ステークホルダーと自社それぞれの視点から検討を行い、社是・社訓の総称であり我々が最も重んじるGMOイズムを基に「6つのマテリアリティ」を特定しました。
これらの重要な事業課題を通じて、持続可能な社会発展への貢献と持続的な企業価値向上を追及していきます。
すべての人にインターネット