【IR】2022年第2四半期決算サマリ

2022年12月期第2四半期決算ポイントをまとめています。

 

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決算概要

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第2四半期(4月~6月)の決算サマリーです。


結論と要約

旧基準ベースの数値は、売上高772億円、営業利益198億円、経常利益213億円、最終利益90億円と、インキュベーション事業での株式売却があり、前年同期と比べると大幅な増収増益となり、いずれも四半期最高業績を更新しました。

前年同期比のセグメントごとの売上・利益の増減分析です。基準変更の影響も含めて記載しています。売上は、インフラ、広告・メディア、金融、インキュベーションがプラス。これらのプラスが暗号資産のマイナスを吸収し、旧基準では180億円の増収となり、772億円。ここから基準変更の影響があり、新基準では694億円となっています。

営業利益については、各事業の増減は売上と同様で、旧基準では97億円の増益となり、198億円。基準変更の影響はほぼなく、新基準でも同水準となっています。

株主還元

株主還元の基本方針は、総還元性向50%となります。このうち配当に33%以上、残りの17%を自己株式の取得にあてるというものです。

1株あたりの配当金の推移は、今期も業績予想を非開示とさせていただくことから、配当金についても四半期ごとに発表させていただきます。第2四半期の配当金は、前年同期比15.8円増配の28.0円。最終利益が過去最高を更新したのに合わせ、四半期配当の金額も過去最高となります。

岩盤ストック収益

四半期業績の詳細に入る前に、改めて我々の持続的成長を支える「岩盤ストック収益」についてご説明します。連結売上高の推移は、2000年代中頃のローン・クレジット事業での金融危機以降、13期連続の増収となっている通り、創業以来、持続的成長を実現してきました。

なぜ、持続的成長を実現することができたのか。それは私たちが「岩盤ストック収益」を積み上げてきたからだと考えています。「岩盤ストック収益」はGMO用語ですが、単なるストック収益と異なり、インターネットが続く限り「無くならない、無くてはならない」かつ「継続課金型の商材」からもたらされるストック収益だということです。熊谷が創業来目指してきたGMOインターネットグループの事業構造でもあります。

「GMOといえばインフラ」と考えられている投資家の皆さまが多いかもしれません。私たちGMOインターネットグループがインフラ事業を行っているのは、「無くならない、無くてはならない、継続課金型の商材は何か?」という問いが最初にあり、その問いに対する答えがインフラ事業であり、そこからもたらされる収益が「岩盤ストック収益」ということなのです。

連結売上高を、岩盤ストック収益とそれ以外に分解したグラフです。赤線は連結売上高に占める岩盤ストック収益の比率となります。岩盤ストック収益には、インフラ事業におけるサブスク型収益と、サブスクに近い岩盤収益基盤を持つトランザクション型収益を含めています。ご覧のとおり、持続的成長は、岩盤ストック収益が牽引していることがお分かりになるかと思います。

岩盤ストック収益を、単価×件数で割り戻したグラフです。単価・件数ともに拡大傾向にあり、足元の1,174億円という岩盤ストック収益は、「年間の単価約1万円」×「約1,200万件の契約件数」から生み出されていることになります。そして契約件数は、足元では毎日1万件の新規のお申し込みをいただいています。退会もありますので純増ペースではもう少し小さくなりますが、インターネットの情報量・トランザクション量が拡大するにつれ、今後も拡大していくものと考えています。

結果としての当社の連結売上高の今後の成長は、岩盤収益基盤、すなわちお客さまの数の拡大とともに、岩盤ストック収益は今後も安定的に積み上がっていくことをイメージしています。そして、岩盤ストック収益以外の収益も、ボラティリティはありつつもインキュベーション事業のような案件もありるため、拡大していくことを見込んでいます。今後もこの2つのタイプの収益で、連結業績の持続的な成長を目指していきます。

岩盤ストック収益を支える岩盤収益基盤となるインフラの契約件数の足元の状況は、6月末時点で1,283万件となりました。

当社の事業領域を俯瞰した図で、領域の大きさは売上構成比を示しています。先程のインフラの契約件数に、FX・証券・暗号資産の口座数も加えた岩盤収益基盤としての顧客基盤は合計で1,525万件となりました。

セグメント別売上高

グラフの一番下、濃いブルーのインフラを中心とした成長トレンドが継続しています。

セグメント別営業利益

インフラ、金融、広告・メディアが好調に推移したことに加え、インキュベーションでの一時収益があり、暗号資産の反動減をこなしつつ、過去最高を大幅に更新いたしました。

6月末のパートナー数は7,133人となりました。このうちエンジニア・クリエイターという技術力を持った「創る人」の比率は48.9%です。モノづくりの会社であるため、熊谷が「創る人比率50%」を初めて目標設定したのは2011年のことです。2014年2月の決算発表で初めてこの比率を皆さまにお示した際、当時の値は「37.1%」でした。足掛け10年、目標値である50%に迫ってきました。インターネット市場という変化の早いマーケットに適応するためには、自社開発、自社運用は欠かせないことだと考えています。今後も、モノづくりの会社として成長を続けていきます。

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インターネット・インフラ事業

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旧基準ベースの四半期売上高の推移とその内訳です。オンライン消費の定着、DXの進展など良好な事業環境のもと、No.1サービスの集合体である強みを生かし、継続的な成長を実現しています。決済事業では、キャッシュレス決済の比率が初めて30%を超えてきた、という経産省からの発表があった通り、引き続き事業環境は良好です。なかでも対面決済領域を担うGMOフィナンシャルゲートが展開する、次世代決済プラットフォーム「stera」端末の販売が引き続き好調に推移しており、今後のトランザクション収益に繋がると期待しています。セキュリティ事業では、SSL有効期限の変更による影響が一巡して、再び高成長に戻ってきています。また、この四半期から「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」の数字が加わっています。

四半期営業利益の推移です。投資育成中の事業の収益化が進むなど、各事業が利益拡大フェーズに入っており、GMOサイバーセキュリティ byイエラエの連結開始による、のれんの償却負担、戦略投資をこなしつつ、二桁増益となりました。上期は比較的利益が好調に推移しており、この貯金を元に下期には一定程度の投資も予定しています。

戦略投資を続けている「電子印鑑GMOサイン」の状況です。2020年6月、コロナ禍にグループをあげて取り組んだ「さよなら印鑑キャンペーン」以降もいわゆるネットワーク効果による顧客基盤の拡大が続き、6月末のアカウント数は、対前年3.2倍となる73万件と、国内No.1となっています。大手の企業への導入も順調に進んでいます。

契約送信数の推移は、お客さまのアクティビティの高さを示す最重要KPIと捉えています。好調な推移となっておりますが、こちらについても国内No.1を目指していきます。

GMOサインについては、より一層の普及に向けて、デジタルガバメントへの取り組みも強化しています。現在18の自治体、団体への採用が確定しています。今後も、「GMOサイン for行革DX」を通じ、効率的・効果的なデジタル社会の実現をサポートしていきます。

EC支援事業全体の流通額の推移です。カラーミーショップ、MakeShopで展開するECプラットフォーム、minne・SUZURI・FREENANCE(フリーナンス)といったサービスから構成されています。物販ECでは巣ごもり消費の反動減が業界全般でみられましたが、当社グループは高価格帯のMakeShopを中心に堅調に推移しました。この流通額のうち約40%はGMOペイメントゲートウェイの決済をご利用いただいています。クレジットカードなどの決済代行サービスを介して流通する金額のほとんどは、グループサービスをご利用いただいており、ECプラットフォームと決済事業の強いシナジーを示す値と考えています。

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インターネット広告・メディア事業

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旧基準ベースの四半期売上高の推移とその内訳です。通常1月-3月期が繁忙期となりますが、この四半期も四半期最高を更新しました。広告は、経済活動の再開を受け、広告代理が好調に推移しました。アフィリエイト広告も好調なトレンドが続いています。メディアは自社メディアのPV数が引き続き高水準で推移しました。さらに、GMOリサーチも、調査会社向けのリサーチプラットフォームが好調に推移し、大きく伸長しています。

四半期営業利益の推移は、一昨年をボトムに回復基調が続いています。自社メディア、リサーチプラットフォームなど利益率の高い自社商材が拡大する、というとトレンドが続いています。今後も、自社商材、自社メディア強化の投資は継続して取り組んでいきます。

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インターネット金融事業

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四半期業績推移は、前年同期比では、外貨ex byGMOによる業績貢献もあり増収増益となりました。FXはマーケットのボラティリティの上昇に伴い、取引高が増加した一方、流動性の低下とカバー取引にかかるコストが増加し、1Q対比では弱含みで推移しました。一方、CFDは1Qに続きコモディティ市場や株価指数の活況を受け好調に推移しました。

FX取引高・国内シェアの推移です。取引高は、マーケットのボラティリティ上昇に加え、外貨ex byGMOのグループジョインもあり過去最高を更新し、国内シェアNo.1となっています。引き続き圧倒的No.1を維持すべく、シナジーを探求しながら、シェア拡大と収益性の向上を目指していきます。ご期待ください。

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暗号資産事業

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暗号資産事業は、マイニング・エクスチェンジ・ペイメント、3つの事業を展開しています。

四半期売上高の推移とその内訳です。交換事業は、活況であった前年上期以降、市場全体の取引高が急減したことにより、減収となりました。また、マイニング事業でも、データセンターの稼働率の低下、暗号資産価格やグローバルハッシュレートなどの外部影響があり、低調なトレンドが続いています。

四半期営業利益の推移です。マイニングでは黒字を確保したものの、交換事業での減収にともない、損失計上となりました。一方、体制面では交換事業の口座数・取引高シェアは堅調に推移するなど、このような状況下においても内部的な取り組みを継続しており、然るべき時にしっかり利益を出せるよう、体制を構築しています。なお、GMOコインでのマーケティング投資については、抑制した形での運用を継続しています。

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トピックス

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「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」の進捗について

まず、1月にグループジョインを発表した日本最強のホワイトハッカー集団「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」の進捗について報告いたします。

GMOサイバーセキュリティ byイエラエとのシナジーについては、グループ内サイバーセキュリティの強化とグループシナジーを活かしたプロダクト・販売強化を中心に活動しています。

①グループサービス防衛強化

ホワイトハッカーがグループサービスに対する脆弱性診断を実施するというもので、グループ内の優先度の高いサイトについては完了しています。

②グループ内ホワイトハッカー教育

セキュリティ意識向上に向け、ホワイトハッカー教育を全パートナー対象に開始しました。このセキュリティ研修プログラムについて今後の外販も視野にいれています。

③GMOサイバーセキュリティ for銀行

サイバー攻撃が激増する中、金融庁が「金融分野におけるサイバーセキュリティ強化に向けた取組方針」をアップデートするなど、金融機関にとってさらなるリスク低減措置やインシデント体制の強化が必要となっています。こうした中、GMOサイバーセキュリティ byイエラエのサービスを当社のお客さまに紹介していく取り組みの第1弾となる、「GMOサイバーセキュリティ for銀行」が4月からスタートしています。GMOペイメントゲートウェイとGMOサイバーセキュリティ byイエラエでタッグを組んで営業活動を進めており、強い引き合いをいただいています。

④SaaSプロダクトの開発

ホワイトハッカーによる脆弱性診断を自動化し、SaaSプロダクトに落とし込むことで、事業をスケールさせていくというものです。各サービスと提携推進が始まったところで、こちらについてはもう少しお時間いただければと考えています。

②Web3領域への取り組みについて

Web3は、ブロックチェーンや暗号資産を用いたサービスの総称で、世界的なトレンドになっています。Web1は情報の「発信者」と「受け手」がはっきり分かれていた時代です。ニュースサイトやホームページなど、見るだけのサービスが中心でした。Web2は誰もが情報発信できるようになった時代です。SNSが普及する、まさに今現在の状況です。

一方でメガプラットフォーマーが個人情報を含め力を持ち過ぎているのではという懸念も指摘されています。これに対し、Web3はトークンを通じてユーザー自身が所有できるサービス、という整理がされています。Web2の時代は、ユーザーは承認欲求をベースにサービスを使っていたものが、Web3の時代はサービスを使うとトークンが付与されるため、サービス利用に金銭的なインセンティブが紐づくようになったというのが特徴です。また、Web2のメガプラットフォーマーのような圧倒的勝者もおらず、若い起業家はこのWeb3の領域で起業するようになってきました。

Web1、Web2時代において、私たちGMOインターネットグループは、個人・法人の情報発信をお手伝いする基盤を提供してきました。それを事業機会として成長を続けているということは、冒頭の岩盤ストック収益のところでもお話した通りです。
では、Web3とGMOインターネットグループはどう関わっていくのか。実は、GMOインターネットグループはWeb3領域にいち早く取り組んできた企業グループだと考えています。2015年以来、ブロックチェーンや暗号資産の事業を行っており、Web3ビジネスを始めるにあたって必要なパーツが揃っている、という状況です。

直近では、Web3ベンチャー支援に特化したハンズオン型のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、「GMO Web3株式会社」を設立しました。

WebベンチャーがBS、バランスシートにおいてどのような課題を抱えているかというと、Debt(デット:負債)、Equity(エクイティー:株式資本)、トークンによる調達や、事業のグロースなどです。こういったWeb3ベンチャーの「課題」に対し、我々グループが持つプロダクトを通じて成長を支援しつつ、少し出資もする、というものです。

GMO Web3には、社内外のWeb3プロフェッショナルを役員や顧問として巻き込んでおり、この大きなトレンドをキャッチアップしていこうという体制になっています。足元では、Web3起業家に多くお会いすべく、日々活動を進めています。どうぞご期待ください。

③社名変更について

2022年9月1日から、「GMOインターネット株式会社」から「GMOインターネットグループ株式会社」へと社名変更を行います。これまで私たちは、「権限の分散」によるスピード経営の実践、創業の精神である「スピリットベンチャー宣言」を含むGMOイズムの共有、そしてグループシナジーの創出を通じ、グループ経営を推進してきました。この度、グループという言葉を社名に入れ、グループの中心を明らかにすることで、グループ経営を一段と加速し、100年単位で継続する企業グループを目指していきます。なお、市場区分、証券コードなどに変更はありません。

 

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