Web2.0 マッシュアップ時代への警鐘

近頃、IT業界では「マッシュアップ」という言葉、サービス開発手段が大流行です。データベースを持っている会社がAPIを公開し、データベースを持たない会社が、APIを利用して便利なサービスを開発することを言います。「マッシュアップ」とは、もともと音楽業界の用語です。

昔、ある”判断”を父に相談しました。父は「喧嘩をするときに、刀の”刃”と”柄”とどちらを持つ?」と言いました。僕は「”柄”を持つに決まっているじゃない。」と回答しました。父は一言「お前が、今やろうとしていることは、刃を持つに等しいことだ。」といいました。

それ以来、「喧嘩をするときは、柄を持て。」というのが僕の座右の銘の一つになっています。

ところで、このマッシュアップの大流行ですが、元のデータベースが「柄」で、サービスを開発している方々は、「刃」を持たされているに等しいと感じています。

つまりもっと具体的に言えば、太るのはグーグルさんであり、ヤフーさんであり、DBを解放している会社さんです。そして、刃を握られているは、マッシュアップでサービスを開発している会社さんです。

Web2.0の時代で、重要なのは「データベース」を持つことであり、そのポイントを外してはいけません。

僕がインターネット事業をスタートしてから4年目。1999年2月にドコモがimodeサービスをスタートさせました。多くの友人達はimode事業に参入していきました。僕は、いろいろ研究したものの、imode事業に参入するのをやめました。その理由は「柄」をドコモに握られるからです。

ということで、「マッシュアップ」について感じたことを書きました。

・尚、GMOインターネットグループ内でも、「マッシュアップ」でサービス開発をしている部署があります。「マッシュアップ」を全部否定している訳ではなく、この「ポイント」を分かった上で、判断をしなければならないということです。

事業や、物事には一番重要な「ポイント」が必ずあります。いつも、「ポイントは何だ?」を口癖にして、「ポイント」を見極め、対処し、「ポイント」を外さないようにしなければなりません。